青柳卓雄さんが亡くなったことをニュースで知った。
大半の方が
誰?
と思うだろう。
青柳卓雄さんはパルスオキシメータを発明した人だ。
ではパルスオキシメータとはなにか?
血液の酸素化状態を確認する機械だ。
パルスオキシメータは指差に赤い光を照射しながら、血液の流れを測定する。
光の透過度と脈波によって、血液に含まれるモグロビンに、酸素がどれだけくっついているのか表示してくれる。
パルスオキシメータが示す値をサチュレーション(SPO2)、日本語だと酸素飽和度と言ったりする。
一般の方には馴染みのないパルスオキシメータ。
しかし、今の医療現場では無くてはならない超重要な医療機械となり、世界中の医療機関で使用されている。。
パルスオキシメータが発明されたことで、患者の酸素状態がリアルタイムで把握できるようになり、患者の呼吸状態をいち早く知ることができるようになった。
最近ではパルスオキシメータを搭載したスマートウォッチの開発が進んでいる。
パルスオキシメータがスマートウォッチに搭載されれば、睡眠時無呼吸症候群の検査データに使用や、呼吸不全の早期発見につながる。
スマートウォッチはこれから、健康管理のためのデバイスとして活躍してくるだろう。
すでに、血圧・脈拍を測定できるスマートウォッチを日本企業のオムロンが発売している。
このスマートウォッチは管理医療機器として認定されていて、機能も測定数値も信頼できるスマートウォッチになっている。
ネックは価格だろう。
定価が79,000円もする。
血圧計を買うと思うとかなり、高額な気がしてならない。
これから、心電図、血圧、SPO2を測定できるスマートウォッチが続々と登場してくるだろう。
しかし、懸念していることがある。
日本の薬機法だ。
日本は薬機法という法律により、心電図やパルスオキシメータは特定医療測定器具に分類されている。
どういうことか。
国の審査を通らないと心電図、パルスオキシメータ付きのスマートウォッチを販売できないということだ。
要するに手間がかかる。
良い例としては日本版のアップルウォッチ。
アメリカ版アップルウォッチは心電図を測定することができるが、日本版アップルウォッチは心電図を測定できない。
これはアップルウォッチが薬機法の規定を満たしていないからだ。
薬機法の審査の手間を考えたら、心電図を測れない仕様にしたほうがメリットがあるとアップルは判断したのだろう。
それだけ、薬機法の審査は面倒な手続きということだ。
アメリカには薬機法のような法律がないため、ベンチャー企業や、医療機器を扱っていない企業が心電図機能を搭載したスマートウォッチを販売できる。
商品の信憑性は下がるが、新しい商品が開発されるスピード感はある。
スピード感がなければ、どんどん先を越されてしまうのが現代のビジネス。
薬機法はメーカーの開発スピードや開発意欲にブレーキをかけてしまっている可能性がある。
規制緩和が必要な時ではないだろうか。
日本人が開発したパルスオキシメーター。
その技術は世界中の医療機関に普及した。
この機能をスマートウォッチに組み込み、私たちの生活に浸透させるのは果たして、どの企業か。
日本企業の開発スピードが、国内の法律に邪魔されてしまうことは極力避けなければいけない。
がんばれ日本企業。